もっとドラマチックな映画かと思っていましたが、ひたすらドキュメンタリーに近いような。 淡々と描かれる、目を覆いたくなるような現実。 でも、目を反らしてはいけないんだよね。 だって、今も戦争はまだそこで起きてる。 終戦からもうじき60年。
ここの似顔絵ならびに、名刺は「かでる工房」さんに作成していただいています。 http://www.kaderu.com/
折りしも、アメリカ兵のイラク人虐待がニュースになっている今。
淡々と続くドイツ兵の虐待と銃殺が重かった。
正義の戦争なんてものは存在せず、戦争の本質は未来永劫変わらない。
人間の本質が変わらないから。
今起きている戦争と、昔の戦争と違うところなんて場所くらいのものだ。
終盤ちかく、廃墟でピアノを弾くシーンで涙が出た。
クラシックにはとんと無知であれがなんの曲なのかすらわからないけれど。
終始台詞の少ない主人公の内面がイチバン露出したシーンだった。
あふれるような出方じゃなくてにじむような涙だった。
ドイツ侵攻の悲惨な描写は何度も胸をえぐっていったけれど、「日本人」の立場が涙を抑えてた。
沖縄での戦闘や原爆や・・・・。
そして、環太平洋のアジア全域で日本人も同じコトをやっていたという事実がそうさせた。
やられたことを忘れないのなら、「やったコト」も忘れちゃいけない。
戦争の本質って「いくらヒトを殺したか」ってのももちろんあるけど、人の心や体を蝕んだり壊したりする「虐待」やそれに近い行為こそにあるんじゃないだろうか。
・・・足りないノーミソじゃここまで考えるのが精一杯なんだけども。
とにかく、よい映画でした。
胡散臭い説教やお涙頂戴的なムード盛り上げなど一切無し。
ストイックなまでに抑えられている作品です。
だから、ひとつひとつが目に焼き付いて離れない。
投稿情報: はるか | 2004/05/24 14:37