私はこの映画に良い印象がありませんでした。
映画自体がどうこうというのではなく、時代劇好きの実弟がいつもいつもいつもこれを観ていたからです。
6月の緑萌える季節、そとはいい天気・・・そんな日の昼間から泥田沼の闘い(しかもみなふんどし)ばかりみせられればうんざりです(笑)
なので、「戦闘シーンだけ見覚えのある映画」だったのでした。
んで、ようやく、キチンと最初から最後まで観たのですが、これがやっぱり「代表作」と言われてるだけあってすごーーーーく良かった。
3時間30分とは到底思えぬ映画。いつもの映画の尺にしか感じないくらい没頭して見ました。
七人の侍たちのキャラ立ちもよく、雇い入れた村の百姓たちの表情も印象的。
アクションだけではなく、すみずみまでよく練ってあるなぁと。
志村喬と宮口精二が良かったなぁ。渋い!!
特に、志村氏は「酔いどれ天使」とかもいいと思ったけど、「七人の侍」はもっともっといいなー。
ラストの台詞にじんわり拡がる心地よい苦味がすごくいいと思った。
三船氏も良かった、やんちゃぶりと三枚目っぽいところが上記二人とよい対比になっていた感じ。
実は、小学校くらいのときに「荒野の七人」を見て、ユル・ブリンナーのファンになった私なんだけど、
(まぁ、それ以前に「王様と私」でファンになった感じでもあるが)
元ネタの「七人の侍」は観てなかったのでした。
・・・リメイクも良いとは思うけど、やっぱり敵わないなぁ、こりゃあすごいなぁと唸ってしまったですよ。
そして、「これは白黒だからより描写の力強さが際立ったのかもしれないなぁ」と思いました。
色がないのに鮮烈さを感じるのは黒澤映画特有のものだと思うのです。
ヒッチコックとか他にもモノクロの洋画もそれなりに見てますが、黒澤映画のような印象を抱いた映画というのはまずないです。
これを観ちゃうと、7割がたの日本映画は観るに値しないのではないかと思ってしまいます・・・。
私的にこれに匹敵するのは「雨月物語」くらいですかねぇ・・・。
あ、あと、「東京物語」とか?
・・・全部白黒だな、やっぱ。
単に私が白黒好きっていうだけなのかしら?(^_^;;;
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